NISAでオルカンやS&P500に積立投資を続けていると、不思議な感情が湧いてくることがあります。
「このままで本当にいいのか?」 「もっと大きく儲かる投資先があるんじゃないか?」
その代表格がインド株です。
YouTubeやSNSでは、
- 人口世界一
- 高い経済成長率
- 中国に代わる成長国
- 次の世界の工場
といった魅力的な言葉が並びます。
そして気づけば、
「オルカンだけじゃもったいない」 「インド株を少し混ぜた方がいいのでは?」
と思い始める人も少なくありません。
しかし結論から言うと、私はインド株への追加投資はおすすめしません。
NISAで資産形成するなら、オルカンやS&P500だけで十分です。
インデックス投資は退屈である
まず理解しておきたいのが、
インデックス投資はとても退屈な投資法である
ということです。
毎月積立を続ける。
暴落が来ても積立を続ける。
上昇しても積立を続ける。
やることは本当にこれだけです。
その結果として長期的には高いリターンが期待できますが、刺激はありません。
だからこそ人は、
「何か面白い投資先はないか」
と探し始めます。
そして比較的手を出しやすいのがインド株インデックスです。
個別株投資よりリスクが低そうに見えるため、心理的ハードルも低いのです。
インド株が悪いと言いたいわけではない
誤解してほしくないのは、
インド株そのものを否定したいわけではありません。
今後インド経済が成長する可能性は十分あります。
人口動態を見ても、経済発展の余地は大きいでしょう。
問題は、
「インドは成長する」=「インド株は儲かる」
ではないことです。
この違いを理解せずに投資すると危険です。
インデックス投資の根底にある考え方
インデックス投資の背景には、
効率的市場仮説
という考え方があります。
かなり簡単に説明すると、
市場参加者が持っている情報は株価にほぼ織り込まれている
という考え方です。
世界中の投資家や機関投資家が、
- 経済成長率
- 人口動態
- 政治リスク
- 為替リスク
- 企業収益
などを考慮して売買した結果が現在の株価です。
「インドは成長する」は皆知っている
例えば、
「インドはこれから成長する」
という話。
実はあなただけが知っている情報ではありません。
世界中の投資家が知っています。
証券会社も知っています。
ファンドマネージャーも知っています。
当然、その期待はすでに株価へ反映されています。
もし効率的市場仮説を受け入れるのであれば、
インド株は割安だから上がる
とは言えません。
現在の価格は、
成長期待と各種リスクのバランスを市場が評価した結果だからです。
インド株を増やすのはセオリーから外れる
ここで少し考えてみましょう。
オルカンは世界中の株式市場を時価総額比率で保有しています。
つまり、
世界中の投資家が決めた最適な配分
をそのまま保有している状態です。
その中でインド株だけを増やすということは、
「市場は間違っている。私はインド株がもっと評価されると思う」
と主張しているのと同じです。
もちろん、それが正しい可能性もあります。
しかし、それはもはやインデックス投資ではなく、
自分の予想に賭けるアクティブな投資行動
です。
インデックス投資家であるなら、
市場の判断を尊重する方が理屈としては一貫しています。
手数料の高さも無視できない
インド株ファンドをおすすめしない理由はもう一つあります。
それはコストです。
米国株や全世界株式のインデックスファンドは、
信託報酬が年0.1%前後まで下がっています。
一方でインド株ファンドは、
それより高いコストになることが珍しくありません。
なぜなら、
- 市場インフラがまだ成熟途上
- 売買コストが高い
- 運用体制にコストがかかる
といった事情があるからです。
たった数十年の差に見えても、長期投資では手数料の差が複利で効いてきます。
リターンは不確実ですが、
コストは確実に支払うものです。
インド株が欲しくなったら思い出したいこと
インド株が欲しくなる気持ちはよく分かります。
私たちはどうしても、
「もっと儲かるかもしれない投資先」
を探してしまいます。
しかし、その感情の多くは
退屈さへの反動
です。
インデックス投資の本質は、
市場平均を取り続けることにあります。
派手さはありません。
話題にもなりません。
しかし、それこそが長期投資で成功するための近道です。
まとめ
インド株インデックスは魅力的に見えます。
しかし、
- インデックス投資は本来、市場全体を持つ考え方
- インド成長期待は既に株価へ織り込まれている
- インド株比率を増やすのは市場予想への賭けになる
- 手数料も依然として高め
という点を考えると、積極的に追加する理由はそれほど強くありません。
私の結論はシンプルです。
オルカンやS&P500を黙々と積み立てる。
それは退屈かもしれません。
しかし、退屈だからこそ再現性が高く、多くの人にとって最も合理的な投資法なのです。


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